インスピレーションを源泉としたアイディアの創出時に、すぐに制約条件を持ち出す人がいる。

他人のアイディアに接したとき、ツッコミを入れてくる場合もあるが、厄介なのは、自分自身の内面から湧いてくるアイディアに対し、もう一人の自分自身がすぐにツッコんでくる場合だ。


前者はポジティブな自分、後者はネガティブな自分。

自己の中に潜む、天使と悪魔。


創造と判断は別物なのだ。 拡散と収束の別、と言えば、昭和世代のビジネスパーソンにはわかりやすいだろうか。。


創造段階では、よく混乱に陥る。 『できるのか? 予算があるのか? 協力者は出るのか? etc』……こういった不安に心が揺さぶられるからだ。

この状態は、非日常だから、実に居心地が悪いもの。

だから、すぐ現実に横たわる制約条件を持ち出して、スクリーニングし、そのアイディアを捨てる判断を取ることでスッキリしたがる傾向が出てしまう……そういうことがビジネスの現場ではよくある。


あるいは、もう一方でよくあるのが、捨てる判断ではなく、安易に『このアイディアは素晴らしい!』とか言って、採用と推進を即断するケース。 これは“ジャストアイディア”と言って、結局は、どっかの誰かが既に知的財産権を取得していたり、ネットで容易に検索にひっかかるビジネスモデルだったりする。


いずれにしても、創造時は広く浅くてもいいので、自由奔放にアウトプットする。

そして、判断時は狭く深く思考していくことが賢明だろう。

今の自分の関わるプロジェクトは、どこの段階にあるのかを見極める冷静な第三の眼を養う必要があるだろう。