市場戦略家の文武両道、日々実践!

現役の戦略コンサルタントが、そっと漏らす日々の本音トーク。

戦略学

戦略家を名乗れる裏付け

私が、恥ずかしげもなく、市場戦略家を世に名乗っていられる背景、裏付け……

それは、防衛大学の戦略教授だった奥出阜義先生からの10年来に及ぶ直接指導にあります。

戦略の父と呼ばれるハンニバル(カルタゴの将軍)の研究者としても第一人者の奥出阜義先生。

首都大学東京で、今年も定番講義が開講されます……

『カルタゴの名将ハンニバルの戦略力をMM(図上演習)と大使館(チュニジア=旧カルタゴ)で学ぶ!』

……ハンニバルをテーマにした戦略力を身につけるセミナー。

来る9月より、4回シリーズ(9/5,12,19,26の夜)で、いよいよ!

詳細は、下記サイトでご確認を!
http://eventforce.jp/event/42176

新規事業の開発時に、97%の起業家が陥る、危険な罠

インスピレーションを源泉としたアイディアの創出時に、すぐに制約条件を持ち出す人がいる。

他人のアイディアに接したとき、ツッコミを入れてくる場合もあるが、厄介なのは、自分自身の内面から湧いてくるアイディアに対し、もう一人の自分自身がすぐにツッコんでくる場合だ。


前者はポジティブな自分、後者はネガティブな自分。

自己の中に潜む、天使と悪魔。


創造と判断は別物なのだ。 拡散と収束の別、と言えば、昭和世代のビジネスパーソンにはわかりやすいだろうか。。


創造段階では、よく混乱に陥る。 『できるのか? 予算があるのか? 協力者は出るのか? etc』……こういった不安に心が揺さぶられるからだ。

この状態は、非日常だから、実に居心地が悪いもの。

だから、すぐ現実に横たわる制約条件を持ち出して、スクリーニングし、そのアイディアを捨てる判断を取ることでスッキリしたがる傾向が出てしまう……そういうことがビジネスの現場ではよくある。


あるいは、もう一方でよくあるのが、捨てる判断ではなく、安易に『このアイディアは素晴らしい!』とか言って、採用と推進を即断するケース。 これは“ジャストアイディア”と言って、結局は、どっかの誰かが既に知的財産権を取得していたり、ネットで容易に検索にひっかかるビジネスモデルだったりする。


いずれにしても、創造時は広く浅くてもいいので、自由奔放にアウトプットする。

そして、判断時は狭く深く思考していくことが賢明だろう。

今の自分の関わるプロジェクトは、どこの段階にあるのかを見極める冷静な第三の眼を養う必要があるだろう。

重大な売上アップのためのヒント

古今東西を問わず、人の感情は不変だ。

マーケティングの実践現場に、この原則をあてはめ、教訓を得たいと欲するならば、研究対象は『買い手の心理』についてだろう。

買い手は、いつでも・どこでも・誰でも、次のように考えているものだ。

『騙されないわよ!』


今の日本経済のように、不景気で世知辛い世の中になれば、その傾向はさらに強まる。

売り手サイドは、涙ぐましいほどの企業努力をもって、誠実かつ薄利のスタンスで売り込み攻勢をかけるが、それでもなかなか成果に結びつかない。

理由は、簡単なことで、要するに“信頼が足りない”のである。


ちなみに、いまだ勢力衰えない振り込め詐欺の被害者たちは、なぜ騙されてしまうのだろうか……

これは、そもそも電話の向こうをかわいい肉親だと思い込んでいるので、その時点で“十分な信頼”が前提にあるからだろう。


ここでの論点は、売り手に詐欺になれということではない(笑)

肉親がなぜ信頼を勝ち取っているのかを研究し、商売に置き換えたとき、買い手の信頼をいかに勝ち取るかのプロセスを自社に取り入れるべきだということだ。

重大な売上アップのためのヒントが、ここに潜んでいると考えられる。

そう。信頼は戦略である。

勝つよりも負けないこと

「今の時期、ダントツに勝つよりも、負けないでいることの方が大切じゃないですかね」

これは、今日の打ち合わせの席でふと出た自分の言葉だが、ビジネスマンあるいは経営者のスタンスとして、本当に今の時期に採用しうるスタンスであるかどうか、ずっと頭の中で反芻しながらオフィスに戻ってきた。


何気に日経新聞を開いていると、産業景気予測特集が眼に飛び込んで来た。


うわっ、どの業種も雨降りばっかだな……


「そか!駆け足で走るのは、晴れた日でいいんだよな。雨の日は、傘をさして、とにかく雨風しのぎつつ、一歩一歩進めればそれでオッケーだよな」

こう思ったら、冒頭の自分の発言も間違いじゃないと思えてきた。

今はマクロ環境がメチャメチャ悪い。

だから、勝つ戦略よりも負けない戦略だ。

要するに、チカラを温存するのだ。

そして、マクロ環境が戻ったら、そこで勝ちに行けばいい。


四季に例えて見てもいいだろう。

今の市場は冬だ。わざわざ今、芽吹かなくてもいい。

来たるべき春に栄養を種子の内部に蓄えておくのだ。

だから、今は勝つよりも、負けないでいよう。

理想のゴールにたどり着くために・・・

一般に、成功者の発想とは、何事にもプラス志向で、目標を立てたら、それに向けて、すぐアクションすることが一番良いなどと言われている。


何をなそうとするのか、その難易度にもよるが、このような発想は、時代背景がプラス成長期に適したものであり、外部環境が厳しく、不確実な今の時代だと、ちょっと間違えると、痛手を負ってしまうリスクと隣り合わせである。


これを旅に喩えると、あなたが、王国の王子のように、護衛付きで目的地を目指しているならともかく、そうではないなら、出発を急ぐことよりも、出発とそのための準備に慎重を期すことが肝要といえる。


そう。理想のゴールにたどり着くためには、スタートが大切なのである。


例えば、何か事故があれば、直ちに人命が危ない、旅客飛行などがこれに当てはまる。

飛行機の安全はいまだに100%でないから、すぐさまアクション(準備もなく離陸)するのは愚かしいことだ。

 

さて、仕事柄、『見栄えのある事業計画書を創って欲しい…』とか『効果のあるプレゼン資料を創って欲しい…』とかの依頼を受けることが実に多い。


この場合、私にとっての理想のゴールとは、『クライアントの想像を超えた高いレベルにあるアウトプットを納品すること』にあるが、実はここでもスタートが大切なのである。

 

一般に、依頼側は、『予算を用意して、コンサルタントに任せたら、後は一定の時間をおいたら、出来上がってくる』と考え、他方、自身の立ち位置は不明確、というケースが少なくない。


自身の立ち位置が不明確とは、具体的には、いつ・どこで・誰に対し・誰と組んで・どんな手段で・どの位の規模と予算で・どのようなノウハウを使って・やるのか……ということが、ほとんど自身の内面では整理ができていないのである。


そう。アウトプットを急ぐばかりに、インプットが少ない場合が多いのである。

言い換えれば、アイディアの収束(まとめること)を急ぎすぎて、アイディアの発散(広げること)をおろそかにしているのである。


氷山の一角という言葉があるが、正にアウトプットという名の氷山の一角には、膨大な水面下における関係者間の討議・データ収集・分析などが存在する。


もっとも、水面に氷山の一角を浮かべるための水面下を押し上げるものは、事実ではなく、仮説である場合も多数ある。

いずれにしても、仮説さえ未熟なうちは、水面下に氷の塊が存在しないプロジェクトがあるのだ。


なので、すぐさまアクションしたいといったクライアントをオフィスで迎える場合、良く私は・・・

『貴殿は早くアウトプットを手にしたい!そして、私にすぐ描けとおっしゃるが、その手前で、何を描くべきか・何を描きたいのか・そもそも描けるのか等に関して、どの程度、まずはご自身で考え貫きましたか?』

・・・と質問するようにしている。


往々にして、『事業計画書を描きたいが描けない』という場合、そもそも『計画そのものがまだまだシンプルなアイディアレベル』であるときが多い。

これは決して準備なく出発を急ぐクライアントを批判しているのではない。


私のゴールは、書面を納品すれば到達するが、クライアントの本当のゴールは、まだまだその先に存在する。

事業そのものの成功だ。


クライアントがその真のゴールに到達するには、きっちり準備していただかねば!

折角そのような理想のゴールを描けるクライアントだからこそ、そういった質問をぶつけるのだ。
そして無事の旅路を祈る。

時に、素晴らしい旅行プランの場合、私自身も旅のお供をする場合がある。

そう。計画段階から、実施段階に移ったときに、クライアントのアドバイザーとしてプロジェクトに参画する場合である。


話題の時間軸が将来に進んでしまったが、元に戻そう。


そう、見栄えのある事業計画書・効果のあるプレゼン資料のアウトプットは、その大半が、戦略会議の定期実施やコンセプトメイキングという受注に変化するのである。


要するに、一緒に、いつ・どこで・誰に対し・誰と組んで・どんな手段で・どの位の規模と予算で・どのようなノウハウを使って・やるのか……ということについて、時間をかけてディスカッションするのだ。


ここが腑に落ちたクライアントは、内面の時間軸がもっと手前に引き戻される。

要するに、まだまだカタチあるアウトプットの完成版を手にできるのは先の先だった・・・と気付くのである。

お付き合いも必然として長くなる。


でも、良いではないか!

理想の真のゴールを、クライアントは確実に引き寄せたのだから!

サムライが飲み会!?

個人的に休会中である国際戦略シナジー学会のメンメンと、久しぶりに情報交換。

 

第3回目となる実践戦略学基礎講座の開始が、本年中にはあるだろう。

この講座の修了者は、グローバルサムライとして学会の活動に参画できる。

まだ10名足らずだが、21世紀を生き貫く現代のサムライとして、今後仲間が増えていくだろう。

 

学会や講座にご興味があればぜひ、お問い合わせいただきたい。

学会を休会した

国際戦略シナジー学会をきょうから半年間、休会にした。

本業である株式会社MOONコンサルティングの業務に、しばしの間、集中するためだ。

 

学会の発足式は、本年6月23日・・・

MOONの会社設立日は、本年7月15日・・・

 

僕からしてみれば、この組織は、双子の息子たちも同然だ。

ただ、長男である学会は、生まれてからこの間、あまりにも手がかかりすぎた。

次男のMOONを、少しの間、集中してかわいがってあげたい。

ここから半年の成果をもって、また学会へは戻っていきたい。

学会の総会開催!

26日(土)は和光市の陸上自衛隊・広報センターにて、学会の総会が開催された。

基調講演は、元NHKワシントン支局長の手嶋龍一氏にお願いした。

グローバルかつ独自の視点から語られる日本の安全保障に関する問題意識は、歯に衣を着せぬ迫力で聴衆を惹きつけた。

講演内容は、陸上自衛隊の幹部向け月刊誌『修親』に掲載予定だ。

刊行報告としては、当学会総括理事の杉之尾宜生氏から『戦略の本質』について30分程度、概説がされた。

 

私も、7月に参加した『総合安全保障セミナー』(主催:陸上自衛隊幹部学校)の修了所見を発表。

爾後、アフター懇親会。充実した一日であった。

 

参加の皆さん、お手伝いをいただい皆さん、大変、お疲れ様でした。

実践戦略学の実践

昨夜は、飯田橋で国際戦略シナジー学会の戦略会議を実施。

この学会は、〔日本の国力低下は、戦後60年もの間、一般国民への戦略教育が抜け落ちてきたことが遠因〕というスタンスを持ち、実践戦略学の教育を実施する任意団体だ。

自分も、市場戦略家と、“市場”なる枕詞が付いてはいるものの、戦略家の端くれとして、参加している。

http://www.globalsamurai.jp/

 

この学会、ボードメンバーははっきり言ってスゴイ。

ナレッジマネジメントの大家・野中郁次郎  と 

元防衛庁統合幕僚会議議長・西元徹也が顧問。

会長は、公認会計士の森田松太郎。

総括理事には、グッドウィル監査役で孫子の兵法の第一人者・杉之尾宜生 と

弁護士の伊藤博の布陣だ。

専務理事には、元防衛大学校教授の奥出阜義があたり、図上演習を用いたウォーゲーム形式の戦略教育が展開される。

もっとも、学会は立ち上がったばかりであり、学会のポリシーであるところの、文と武のシナジー、要は一般国民と防衛庁関係者の相互交流というポリシーは、学会組織内部そのものでも大きな課題だ。

自分は今、常務理事のポジションにあり、この大きなテーマを前に、ブログテーマのとおり、日々実践を試みている真っ最中である。

 

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