2011年06月
先週末は、城西大学・紀尾井町キャンパスで開かれたシンポジウム「近世版画の色と技」に出かけてきた。
千葉市美術館館長で学習院大教授の小林忠先生による「浮世絵版画の色彩表現」を基調講演に開始され、続いて3人の研究者からの発表があった。
発表では、錦絵(=多色刷りの浮世絵版画)の創始者とされる鈴木春信、着色花鳥版画などの作者である伊東若冲らの色づかいと技法について、紐解かれた。
自分にとって、一番おもしろかったのは、アダチ版画研究所による浮世絵版画の摺(す)り実演だった。写楽の浮世絵の再現だったが、多色刷りの浮世絵が、木の版から次々と複数枚、刷り上がってくるのは、見ていて楽しい限り。
摺師は、その道55年のベテラン。ボストン美術館などでも実演歴があるそうだ。
ちなみに、木の版には、色がズレないように位置合わせの「見当」というのがあって、これが現代印刷における「トンボ」の役割を担う。「見当違い」の語源はここにあったのだと初めて知った。
ところで、2011年11月末頃には、姉妹校・城西国際大学の坂戸キャンパスで「水田美術館」がオープン予定だそうだ。近世版画のコレクションが多数並ぶそうで、一見の価値がありそうだ。
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